Magic: the Gathering(MTG)というカードゲームがある。楽しいので一度やってみよう。基本無料で遊べるMTGアリーナというPCゲームもあるぞ。
ところで、MTGを遊んでいるとこういうことがよく起きる。
- 土地*1が引けない/土地しか引かない。
- 相手の引くカードが強すぎて負ける。
- これさえ引かれなければ勝てるというときに引かれて勝てなくなる。
カードゲームをやる上で確率の話は切り離すことができない。実際、これらの確率というのがどのくらいかを知らずにカードゲームをしている人も多いだろう。実際の確率を知らずによく起こる事象を何度も目の当たりにすると、理不尽に感じてしまうのも無理はない。
さて、これらが起こる確率は実際はどれほどのものだろうか。
この記事は、MTGの初期手札を介して確率についての話を行うものである。以降、特に何も言われない場合、前提として以下を設定する。
- ライブラリー*2の枚数は60枚、初期手札は7枚。
- マリガン*3はしない。
- ライブラリーのシャッフルは完璧に行われ、各カードが特定の位置に存在する確率はすべて同様に確からしいものとする。
- 引きたいカードの名前を《七人の小人》とし、そうでないカードを《山》とする。
1枚差しのカードを引く
分かりやすさのために以下のデッキを想定する。
1 七人の小人 59 山
「初期手札で《七人の小人》を引く」というのは、言い換えれば「《七人の小人》がライブラリーの上から7枚のうちいずれかにある」ということである。つまり以下のパターンの内いずれかが達成できればいい。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から1枚目にある確率。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から2枚目にある確率。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から3枚目にある確率。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から4枚目にある確率。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から5枚目にある確率。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から6枚目にある確率。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から7枚目にある確率。
表で表すと以下のようになる。○が書かれてあるところに《七人の小人》がいる。以下同様。
上から枚目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ||||||||
○ | ||||||||
○ | ||||||||
○ | ||||||||
○ | ||||||||
○ | ||||||||
○ |
確率はそれぞれ である。そのまま確率を合計して が導ける。
1枚差しのカードを初手に引ける確率は と より少し高い。これを高いと見るか低いと見るかはその人次第だろう。
7枚入れたカードをすべて引く
7 七人の小人 53 山
わざわざ《七人の小人》を指定したので7枚に増やしてみる。初期手札が7枚全部《七人の小人》になるパターンは以下の1通りである。
- 《七人の小人》がライブラリーの上から1枚目から7枚目すべてにある。
上から枚目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ライブラリーの上から順番に計算していこう。
ライブラリーの上から1枚目が《七人の小人》である確率は、60枚のカードのうち7枚が《七人の小人》であるため である。
次にライブラリーの上から2枚目が《七人の小人》である確率を同様に考えてみる。しかしその確率は ではない。ライブラリーの上から1枚目がすでに《七人の小人》と確定しているため、残りの59枚から考えなければいけない。つまり、「ライブラリーの上から2枚目が《七人の小人》である確率」は、「ライブラリーの残り59枚の上から1枚目が《七人の小人》である確率」と読み替えることができる。考えるべきカードの束は以下である。
6 七人の小人 53 山
よって「《七人の小人》がライブラリーの上から2枚目にある」確率は となる。
同様に3枚目は以下の58枚で考えるので である。
5 七人の小人 53 山
上から 枚目までがすべて《七人の小人》である場合、上から 枚目が《七人の小人》である確率は である。以下の表のようになる。
上から枚目 | 《七人の小人》の数 | 全体の数 | 確率 |
---|---|---|---|
7 | 60 | ||
6 | 59 | ||
5 | 58 | ||
4 | 57 | ||
3 | 56 | ||
2 | 55 | ||
1 | 54 |
求めたい確率はこれらが上から7枚目まで同時に起こる確率であるため、それらの積で求めることができる。
麻雀における天和の確率がだいたい であるため、確率は非常に低い*4。もし初期手札7枚がすべて《七人の小人》になったのだとしたら、マリガンする前にTwitterとかにあげてほしい。
6枚積みのカードをすべて引く
6 七人の小人 54 山
7枚積みのカードをすべて引くパターンが1通りしかなかったのに対し、このパターンは以下の7通り存在する。
- ライブラリーの上から7枚の内、1枚目以外がすべて《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から7枚の内、2枚目以外がすべて《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から7枚の内、3枚目以外がすべて《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から7枚の内、4枚目以外がすべて《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から7枚の内、5枚目以外がすべて《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から7枚の内、6枚目以外がすべて《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から7枚の内、7枚目以外がすべて《七人の小人》である。
表にすると以下のようになる。
上から枚目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
順番に考えていこう。
まずはのパターンを考える。ライブラリーの上からパターンに当てはまる確率を列挙する。「7枚入れたカードをすべて引く」パターンと同様に、 枚目のカードは 枚目までの結果の影響を受けることに注意。
- ライブラリーの上から1枚目が《七人の小人》でない確率は である。
- ライブラリーの上から2枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から3枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から4枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から5枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から6枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から7枚目が《七人の小人》である確率は である。
それらが同時に起こるので、確率はこれらの積となる。
次に、のパターンを考える。同様に条件を列挙する。
- ライブラリーの上から1枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から2枚目が《七人の小人》でない確率は である。
- ライブラリーの上から3枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から4枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から5枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から6枚目が《七人の小人》である確率は である。
- ライブラリーの上から7枚目が《七人の小人》である確率は である。
確率はそれらの積であるため、以下の式で求められる。
これは、で現れた式と同様である。以降のパターンについても、順番が違うだけで分子と分母に現れる数が同じであるため、同じ結果が導ける。
「ライブラリーの上から7枚の内、 枚目以外がすべて《七人の小人》である」パターンになる確率はすべて同じ式で表せることが分かる。いずれかが達成すればいいため、最終的に6枚入れたカードをすべて引く確率は以下で表せる。
2枚積みのカードをすべて引く
2 七人の小人 58 山
2枚積みの場合、1枚差し・6枚積み・7枚積みと同じようにやろうとするとうまくいかない。2枚積みのパターンがちょっと多いためである。考えるべきパターンを以下に列挙する。
- ライブラリーの上から1枚目と2枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から1枚目と3枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から1枚目と4枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から1枚目と5枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から1枚目と6枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から1枚目と7枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から2枚目と3枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から2枚目と4枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から2枚目と5枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から2枚目と6枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から2枚目と7枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から3枚目と4枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から3枚目と5枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から3枚目と6枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から3枚目と7枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から4枚目と5枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から4枚目と6枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から4枚目と7枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から5枚目と6枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から5枚目と7枚目が《七人の小人》である。
- ライブラリーの上から6枚目と7枚目が《七人の小人》である。
全部で21通りの場合分けができる。表にすると以下のようになる。
上から枚目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ | |||||||
○ | ○ |
基本的には「6枚積みのカードをすべて引く」と同様に、出現順のみ異なるだけで各種パターンに出てくる数字は同じであるため、各種パターンになる確率は同じになる。
21通りすべて同じ確率であるため、最終的な確率はこれを21倍したものになる。
3枚積みのカードをすべて引く
3 七人の小人 57 山
3枚積みのカードをすべて引くパターンも、今までのようにやっていけばできるが、パターンの列挙が手間である。そこで、順列というものを考える。
順列は階乗 を用いて表すこととする。 であり、である。
個の区別されているものを一列に並べるとき、組み合わせは通りある。その中で同じグループ内のものが区別されない場合、組み合わせはをで割った通りに減る。特に、残りの個のグループも区別されない場合、組み合わせの数は以下の式で表すことができる。
3枚積みのカードをすべて引くパターンの場合、初期手札7枚の内3枚の引きたいカードが同じグループ、そのほかの残り4枚が同じグループであるため、と考えることができる。
全部で35通りという結果が出た。今回は確認のため、列挙もしてみることとする。
上から枚目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ | ||||||
○ | ○ | ○ |
確かに35通り確認できた。
また、「2枚積みのカードをすべて引く」パターンは21通りであったが、それも同様に計算できるかどうかを確認する。である。
確かに21を導くことができた。
各パターンの確率は同じであるため、代表パターンの確率を計算し、出現パターンの総数である35倍すれば求めたい確率を求めることができる。代表パターンの確率は、総数と、区別されないものの総数とを用いて以下で表すことができる。
これは、先ほど現れた総数の逆数*5*6である。代表パターンの確率が同じような形になることを確認する。
確かに階乗を用いて表すことができた。あとはこれを35倍すればいいので、結果は以下のようになる。
枚積みのカードをすべて引く
ここまで来たら一般化できるだろう。以下の条件を満たす確率を求める。ただし、第1変数と第2変数は一致している。
- ライブラリー総数
- 初期手札の枚数
- 引きたいカードの枚数
- 初期手札の中に含まれてる枚数
c 七人の小人 60-c 山
まずは代表パターンを計算し一通りあたりの確率を計算する。引きたいカードの枚数とライブラリーの総数を用いて以下のように表せる。
次に初期手札のパターンを列挙する。引きたいカードの枚数と初期手札の枚数を用いて以下のように表せる。
最後にこれらをかける。
ライブラリー総数、初期手札枚数、引きたいカード枚数を用いて、引きたいカードが初期手札にすべて集まる確率を求めることができた。
ライブラリー総数、初期手札枚数のとき、引きたいカードを初手にすべて引ける確率の表を置いておく。
引きたいカード枚数 | 確率 |
---|---|
閑話:封印されしエクゾディアをそろえる
遊戯王OCGの話になるが、これを応用することで《封印されしエクゾディア》《封印されし者の右腕》《封印されし者の左腕》《封印されし者の右足》《封印されし者の左足》が初手にそろう確率を計算することもできる。遊戯王はデッキ*740枚で初期手札が5枚であり、引きたいカードの総数は5枚であるため式は以下になる。
これまでは積んだカードがすべて初手に引くケースを考えてきた。しかし、7枚積んだカードが初手に7枚来るパターンの確率を知ったところで実際に役立つことは少ないだろう。以降、複数積んだカードが1枚以上来るケースを考えることにする。《七人の小人》である必要はなくなったかもしれないが、以降も同じく《七人の小人》で考えることにする。
2枚積みのカードを1枚以上引く
2 七人の小人 58 山
2枚積みのカードを初手に1枚以上引く確率は以下の合算で求められる。
- 初手に1枚ちょうど引く確率。
- 初手に2枚ちょうど引く確率。
そのうち、はすでに求めたので、を考えればいい。の確率は以下の合計で求めることができる。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、1枚目にのみ《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、2枚目にのみ《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、3枚目にのみ《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、4枚目にのみ《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、5枚目にのみ《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、6枚目にのみ《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目~7枚目の内、7枚目にのみ《七人の小人》がある。
例えばのパターンであるならば上から2枚目から7枚目に《七人の小人》を引いてはいけないことに注意してほしい。このパターンはで計算されているため、二重に集計されてしまうことになる*8。いずれのパターンも確率は同じであるため、代表してのパターンの確率を求める。
のパターンも、引けなかった方の《七人の小人》の位置で場合分けを行う。
- ライブラリーの上から1枚目と8枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と9枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と10枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と11枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と58枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と59枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と60枚目に《七人の小人》がある。
全部で53通りの場合分けができた。まずは代表してととを考える。当たり前だが、1枚目と8枚目以外は《七人の小人》ではない。
いずれの場合も出てくる数字の順番のみが異なるだけで、出てくる数字は同じである。そのため各パターンの確率はすべて同じである。
53通りのパターンの確率がすべて同じであるため、単純に掛け合わせることでの確率を求めることができる。
以降も同様に求めることができる。確率はと同じであるため、7倍することでの確率を導ける。
あとはとを足し合わせる。
だいたい24%程度である。4回初期手札が来れば1回は引けたり引けなかったりする確率だろうか。
3枚積みのカードを1枚以上引く
基本的には「2枚積みのカードを1枚以上引く」と同様に考える。
3 七人の小人 57 山
- 初手に1枚ちょうど引く確率。
- 初手に2枚ちょうど引く確率。
- 初手に3枚すべて引く確率。
については とすでに分かっているため、とを求めることとする。まずはになるパターンを考えてみる。
- ライブラリーの上から1枚目と8枚目と9枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と8枚目と10枚目に《七人の小人》がある。
- ライブラリーの上から1枚目と8枚目と11枚目に《七人の小人》がある。
このまま列挙してもいいが、順列の考え方でこれが全部で何通り現れるかを計算することもできる。初期手札となる7枚目までに引きたいカードが1枚、8枚目以降の53枚の内のいずれかに引きたいカードの残りの2枚が現れるパターンと考えた場合、組み合わせの数は以下の式で表すことができる。
あとは一通りあたりの確率とかけ合わせればを求めることができる。その確率も階乗を用いてと表すことができる。
も同様に求めることができる。繰り返しになるが、以下をかけ合わせることで求められる。
- 一通りあたりの確率
- 初期手札に引きたいカードが2枚あるパターンの総数
- ライブラリーの残りに引きたいカードが1枚あるパターンの総数
それぞれの確率は以下となる。
最終的には以下となる。
求めたいのはであるため、あとは足し合わせる。
3枚積みのカードはだいたい3割強の確率で初手に来ることが分かる。
枚入れたカードが初手に枚来る確率
4枚積みのカードについても気になるが、先に一般化する。以下の条件で確率を設定する。
- ライブラリー総数
- 初期手札の枚数
- 引きたいカードの枚数
- 初期手札の中に含まれてる枚数
一通りあたりの確率を求める。ライブラリーの総数と引きたいカードの枚数を用いて以下で表せる。
初期手札のパターンの総数を求める。これは枚引くのでそれに合わせる。
初期手札以外の残りのライブラリーのパターンの総数を求める。引きたいカードが初期手札に枚引けているので、残りのライブラリーの中には残りの引きたいカードが残っている。
はこれらをかけ合わせることで求めることができる。
は枚ちょうど引く確率であるため、1枚以上引く確率は総和で求める必要がある。
これですべてのパターンを網羅することができた。
ちなみにこれはと入れたとき、0枚ちょうど引けた確率1枚も引けない確率を求めることができる。1枚も引けない確率と1枚以上引く確率の合計は当然ながら1になるため、以下の式から1枚以上引く確率を求めることもできる。
計算自体は面倒なので、Excel等の計算機に任せるといい。
ライブラリー総数、初期手札枚数のとき、引きたいカードを初手に1枚以上引ける確率の表を置いておく。
引きたいカードの枚数 | 確率 |
---|---|
練習問題
- ライブラリー60枚の内に引きたいカードが4枚ある場合、それが初手に来る確率がであることを確かめよ。
- ライブラリー60枚の内土地が24枚ある場合、ライブラリーの上から9枚に土地が3枚以上ある確率がであることを確かめよ。
*1:カードのコストを出すカード。引かなすぎると高コストのカードが使えず負ける。引きすぎると今度は使えるカードが相対的に減って負ける。
*2:山札のこと。
*3:簡単に言えば引き直しのこと。MTGでは初期手札の枚数分だけ(普通は7回)マリガンができるが、マリガンを行った回数だけ初期手札が減ってしまう。
*4:ただし、0ではないため起こりえる。
*5:ある数Aとその逆数Bの積は1になる。特に分数の逆数は分子と分母を入れ替えたものである。
*6:各パターンの確率が同様に確からしいため、それらの確率は総数の逆数で求めることができる。また、確率の総和は1になる。
*7:山札のこと。特にメインデッキのこと。
*8:2枚目を引くことを許容し直接1枚以上引く確率を直接求めることもできるが、考えるべきパターンが膨れ上がってしまうため割愛。